【複数年契約も良し悪し】契約更改ににじむタイガースの本音【野球話】

我らの阪神タイガース

タイガースの契約更改交渉も、いよいよ終盤。

残すところ、未更改は才木投手と佐藤輝選手のみとなりました。

バラ色のオフ、“超暖冬”更改のタイガース

今年の契約更改では、中野選手が３億円。

森下選手、村上投手、石井投手は、一気に２億円プレーヤーに。

大竹投手、及川投手も１億円に到達し、数字だけを見れば、文句のつけようがないオフになりました。

強いチームには、しっかりとした評価がついてきます。

同じ「現状維持」でも…ファンが抱く違和感の正体

ただ、その一方で、どうしても引っかかる言葉があります。それが「現状維持」です。

坂本選手： １億円（現状維持）

坂本選手は、１億円の現状維持で契約を更改しました。

今シーズンの働きを考えれば、「少し安いんちゃうか」と感じた人も多い筈です。

岩崎投手： ２億円（現状維持）

岩崎投手も２億円の現状維持。

抑えとしての安定感、重圧のかかる場面での投球を見ていれば、もっともっと評価されてもいい、と思うのが正直なところです。

西勇輝投手： ３億円（現状維持）

一方で、今季１軍登板はわずか１試合。

それでもチームトップクラスの高年俸です。

彼らは全員、複数年契約の最中です。

なぜ球団は「複数年契約」を結ぶのか？

そもそも、プロ野球で複数年契約が一般的になったのは、1993年のFA制度導入以降です。

FAがなかった時代、契約は基本的に単年。

選手は球団に保有され、年俸は毎年の成績で見直されるのが当たり前でした。

ところがFA制度が始まり、「主力が一気に出ていくかも知れない」時代になりました。

そこで生まれたのが、複数年契約。

主力を引き留める為、そしてチームの軸を簡単には手放さない為の、いわば時代が生んだ契約形態と言えます。

複数年契約のメリットとデメリット

複数年契約の最大のメリットは、「保証」です。

怪我、不調、加齢による衰え…プロ野球選手は常にリスクと隣り合わせです。

考えたくはありませんが、仮に坂本選手が開幕前に大怪我をしてシーズンを棒に振っても、契約期間内であれば年俸は守られます。

生活の心配をせず、野球に集中できる。

これは計り知れないメリットです。

しかし、その裏返しとして「上限」も決まってしまいます。

いくら素晴らしい結果を出しても、基本的には年俸は変動しません（出来高を除く）。

岩崎投手のように「これだけ投げても、この評価か」と感じる年が出てくるのは、この契約の宿命でもあります。

球団にとっての「安定」と「リスク」

球団側にとっても、諸刃の剣です。

近本選手や大山選手のように、チームの骨格となる選手を長期で確保できるのは大きなメリット。

今のタイガースが「生え抜き中心の強いチーム」を作れている要因の一つです。

一方で、成績を残せなかった場合でも、高額年俸を払い続ける義務が生じます。

西勇投手のケースは、球団が背負ったリスクが表面化した形と言えるかもしれません。

契約更改は「リスクの分け合い」

では、複数年契約は悪なのか？

私はそうは思いません。

これは「得か損か」だけで片付けられる話ではなく、「選手と球団が、将来のリスクをどう分け合うか」という約束事だからです。

短期的な目で見れば、不公平に映ることもあります。

しかし、長期的な目で見れば、今の強いタイガースを支えている仕組みでもあります。

残る才木投手と佐藤輝選手はどうなる？

これから更改を迎える才木投手、佐藤輝選手。

若い両選手にとって、複数年契約になる可能性は極めて低いでしょう。

両者ともメジャー志望を公言しています。

チームとしてもおいそれと渡米させる訳にはいきませんが、縛り付けるような契約も難しい。

今回の契約更改では、金額だけでなく、その先の未来を見据えた攻防があることでしょう。

頑張れタイガース！

にほんブログ村

阪神タイガースランキング